「働く」を「社会学する」~「キャリア・デザイン」ではない学び<初年次ゼミナール>

科目名
Course Title
授業コード 単位数 配当年次 開講期間
Term
科目分類 ナンバリング
コード
曜日
コマ
教室 担当教員氏名
Instructor
「働く」を「社会学する」~「キャリア・デザイン」ではない学び<初年次ゼミナール>
First Year Seminar
A110010095 2 1 前期授業 初年次ゼミナール FLCFE1101-J2 木3 A15-130 工藤 宏司

オフィスアワー

木曜日昼休み 他随時(メールでアポをとってください)

授業目標

・学問の多くは、「対象」と「アプローチ」のふたつに便宜的に分けることが可能です。まずはこのことを前提に、「働くこと」について、複数のアプローチが可能であることの理解を目指します。

・みなさんが考えている「働くこと」の内実は、いったいどのようでしょうか。そもそも「働くこと」はいつの時代も、どんな社会も、「同じ」なのでしょうか。二つ目の目標は、「働くこと」を時間と文化というふたつの軸で比較してみることで、その多様性を理解することを目指します。

・二つ目の目標達成には、いまわたしたちが目にしている「現実」を、複眼的にとらえようという意図と、その意図を実現する方法が必要となります。とりあえずそれをここでは「方法論」と呼びます。この授業では、講師である工藤の専門である「社会学」がその方法にあたります。「働くこと」について考えていきながら、大学での「知」のあり方の具体的な例として、「社会学」という方法の特徴について、簡単に理解できることを目指します。

・学問・探究は、一人でするのはなかなか大変なもの。そこに複数の関心をもった人が集まり、相互に議論を交わすことで、ご自身の考えの可能性は広がるものです。そのことを念頭に、参加者相互に議論ができるようになることを目指します。

・以上を通じて、みなさんがこれから学ばれる大学における「学問」と考える「対象」との関係について考えを深めること、これを授業の最終的な目標とします。

教科書

特にありません。必要な資料を授業を通じて提示し、また、みなで共同して探していきます。

参考書

特にありません。必要な資料を授業を通じて提示し、また、みなで共同して探していきます。

関連科目

特にありません。

授業時間外の学習(準備学習等について)

・大学での授業時間である90分を有効にするためには、実はそれに向けた準備時間と、そこで学んだことをご自身のなかで反芻し、意味付ける時間がとても大切です。この授業においてそれは、具体的には以下のような形で現れることになります。

①授業回にみなで議論するために共同で講読するテキスト(書籍や論文、雑誌の記事や統計データなど)を読み、理解し、自分なりに批評し、疑問点を作ってくること。

②授業回では人数に応じて、複数の役割をみなさんに割り振ります。欠かせない役割の一つは共同テキストの内容をまとめ、レジュメ(内容を整理し、議論のポイントを示したもの)を作成し、報告する係があるのですが、その人は報告資料を事前に作成することになります。

③授業支援システムを使って、授業後の感想や「(一見)無駄話」を共有できる場を作ります。そこで授業でのモヤモヤや、その後に考えたことなどを書いてもらうのもいいでしょう。それが次の回の議論につながる可能性もありますね。

④社会学では、いわゆる「座学」だけではなく、実際に何かが起きている「現場(フィールド)」に出かけていき、それをこの目で見て、空気を感じ、話を聞くなどして確認する、という作業を大切にします。みなさんの希望もお聞きしながらになりますが、できればそうした機会を半期の間に最低一度は作りたいと考えています。

授業の概要


 授業全体を通じて、「話をすること・聞くこと・議論すること」について、それを実践しながら慣れていくことが重要です。「働くこと」はいわばその目標達成のための「テーマ」であり、みなさん個々に、これから探究する対象や学問領域(方法論)は異なりますので、最終的にはご自身の今後にここで学ばれたことをどのように応用できるのか、考えてみてほしいと思います。
 同時に、「働くこと」は、みなさんのおそらくすべての人がさまざまな形で実践することになるはずです。この「さまざまな形で」を「具体的に」考えていくこと、そしてもし今のみなさんのなかに、この「具体的に」のバリエーションがそれほどないのだとすると、それはなぜなのか、を考えること、これをぜひしてみてください。それが「社会学」という学問領域がどんな特徴を持つのかを考えることに実はつながっていきます。

授業計画


・受講される方の人数や志向性を見ながらペースや内容を考えていきますが、おおむね以下のような計画をしています。

初回 オリエンテーション それぞれの自己紹介を中心に

2~4回 「働くこと」についてまずは意見交換 図書館ツアー 発表に向けたレクチャー

5~12回 「働くこと」について、テキストを用いて発表、議論の実践

13~15回 レポート課題準備 レポートの書き方のレクチャー 授業全体のまとめ

成績評価

授業目標にあげた

授業た役割をこなせか、についてを中心にした参加状況の評価(50%)
授業で学んだことを用いて、「働くこと」について授業の最後に自身がふたたびどのように考えるかについてまとめたレポートの評価(50%)

で評価します。

備考(実務経験の活用を含む)

議論をする、ということは、自分の主張をする、ということと同義ではありません。人の話をきちんと聞き、相手の言いたいことを頭ごなしに否定せず、その人にとっての合理性を考え、自分自身の考えとの違いを理解し、それらを比較考量し、それぞれについて批評する、ことが「議論する」ことの意味です。そんな態度を身に付けるための「はじめの一歩」がこのゼミだと思っています。そうした点に興味を持ち、実践してみたいという人を歓迎します。