言語システムと文化

科目名
Course Title
授業コード 単位数 配当年次 開講期間
Term
科目分類 ナンバリング
コード
曜日
コマ
教室 担当教員氏名
Instructor
言語システムと文化
Language Systems and Culture
B102710001 2 2 後期授業 専門科目 AELAC2432-J1 火2 A15-130,オンライン(中百舌鳥キャンパス) 旅田 孟

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授業目標

本科目は、異文化理解の方法を習得することを目的とする。具体的には、鎌倉時代の日本を一種の「異文化」として捉え、その「異文化」の価値観と現代日本(あるいは諸外国)の価値観との比較を行うことによって、以下の能力を身につけることを目指す。
1、鎌倉期日本の価値観について説明ができること
2、自身が帰属する社会の価値観について説明ができること
3、自身が帰属する社会と鎌倉期日本との価値観の共通点・相違点について説明ができること
4、比較を行った上で自身の見解を提示できること

教科書

授業中に指示する

参考書

授業中に指示する

授業時間外の学習(準備学習等について)

比較考察の際に必要となる予備知識を得るために、事前に資料を配り、目を通しておくことを求める場合がある。

授業の概要

音声言語は基本的に発生と消滅がほぼ同時に起こるのに対し、文字言語は形として(紙などに書かれることで)消滅せず残るものであるので、時代を超えるコミュニケーションを可能にする。書かれたものを通して、我々は過去の人間の知識・思考に触れることができるのである。本科目では、鎌倉時代に編纂された教訓説話集『十訓抄』を通して、鎌倉時代の物の見方・考え方に触れ、対話を行っていく。ここにおける「対話」とは、「他者=鎌倉時代の人間」と「自己=現代人」の価値観について詳細に眺め、比較することによって考察を進めていく方法のことを指す。交通手段や通信手段の発達により様々な国・地域の人々との交流が盛んになった現代において、自身とは異なる価値観に衝撃を受け、とまどってしまうことは少なくないものと思う。そうした現代においては、他者の価値観を正確に理解しようとする態度、理解する能力が必要となってくる。他者について可能な限り詳しく知り、自己と他者の共通点・相違点を正しく把握した上にこそ、「共感」というものはありうるのである。「反発」「拒絶」は、往々にして、こうした理解の不足から起こるものである。「異文化理解」は、「反発」「拒絶」を避け、円満に生き抜くための必須スキルと言える。過去も一種の「異文化」である以上、過去の文化を学ぶことは、「異文化理解」を習得する上で役立つと考える。『十訓抄』は、十種類の教訓を掲げ、各教訓の例示として説話を列挙することによって成っている説話集であるので、一つ一つの教訓に即して、過去と現代の共通点・相違点を考えていきたい。

授業計画

第1回 オリエンテーション 異文化理解の必要性 準備学習等
第2回 中世日本文学史概観 準備学習等
第3回 『十訓抄』以外の鎌倉時代の教訓書について 準備学習等
第4回 第一「人に恵を施すべき事」 準備学習等
第5回 第二「驕慢を離るべき事」 準備学習等
第6回 第三「人倫を侮らざる事」 準備学習等
第7回 第四「人の上を誡むべき事」 準備学習等
第8回 第五「朋友を撰べき事」 準備学習等
第9回 第六「忠直を存ずべき事」(1) 準備学習等
第10回 第六「忠直を存ずべき事」(2) 準備学習等
第11回 第七「思慮を専らにすべき事」 準備学習等
第12回 第八「諸事を堪忍すべき事」 準備学習等
第13回 第九「懇望を停むべき事」 準備学習等
第14回 第十「才芸を庶幾すべき事」(1) 準備学習等
第15回 第十「才芸を庶幾すべき事」(2) 準備学習等
第16回 まとめ 準備学習等

成績評価

授業目標の1~4の達成度で成績評価を行う。つまり、C(合格)となり、単位を取得するためには、
1、鎌倉期日本の価値観について説明ができること
2、自身が帰属する社会の価値観について説明ができること
3、自身が帰属する社会と鎌倉期日本との価値観の共通点・相違点について説明ができること
4、比較を行った上で自身の見解を提示できること
上記の四点を達成することが求められる。
成績評価は、授業への参加度、感想文(原則として毎週提出してもらう)、期末レポートに基づいて行う。
評価に占める割合は、参加度25%、感想文25%、期末レポート50%とする。なお、感想文の提出をもって「参加」扱いとするため、実質的には、感想文が評価全体の半分を占めることとなる。

備考(実務経験の活用を含む)


授業は原則としてオンラインで行うが、動画ファイル等を用いてのものではなく、テキストベースでおこなう予定である。具体的には、授業支援システム上に講義内容をまとめたワードファイルを、毎週火曜日の11時までにアップするので、それに目を通して感想文を書き、提出してもらう(提出先はシラバス記載のメールアドレスまで)。感想文の字数は300字以上とし、毎回の授業内容に関連したことを自由に書いてもらう。期末レポートと異なり、この感想文は「提出」が成績評価の対象であり、「内容」は評価に影響しない。

題材とするのは日本の古典文学であるが、『十訓抄』は「いまだこの道を学び知らざらむ少年のたぐひ」のために編纂されたものであるため、文章はかなり平易であり、古典文法の知識はさほど必要としない。留学生であっても、現代日本語を運用できるのであれば、やはり問題なく読み解くことができると思う。