物理学B(現シス(知識・学域入試)、生命(獣医・応生・緑地))

科目名
Course Title
授業コード 単位数 配当年次 開講期間
Term
科目分類 ナンバリング
コード
曜日
コマ
教室 担当教員氏名
Instructor
物理学B(現シス(知識・学域入試)、生命(獣医・応生・緑地))
General Physics B
A600310003 2 1 後期授業 理系基礎科目 FLPHY1931-J1 木3 B3-201 星野 聡孝

オフィスアワー

水曜日 10:40-12:10(居室:B3棟5階524室)
上記の時間以外でも時間の許す限り応対しますので、気軽に質問に来てください。

授業目標

 銀河の運動、太陽の周りを回る惑星の運動、地上で投げたボールの運動、固体や液体・気体などの物質状態とその変化、原子・分子の構造、化学反応、生命現象... これらにとどまらず、あらゆる自然現象は物理法則に支配されています。従って、物理学を学ぶということは、自然現象を、その本質にまでさかのぼって理解する方法を学ぶことに他なりません。

 本講義では、電磁気学の基礎を学ぶことにより、「物理学A」で学んだ古典力学だけでは説明できない様々な物理現象、特に物質の電気的・磁気的性質などを、(古典物理学の範囲内で)できる限り、その本質にさかのぼって理解できるようになることを目標としています。より具体的には、以下の3つを目標として講義を進めていきます。

(1) クーロンの法則などから出発して体系化された電磁気学の基本法則を用いて、電場や電位、磁場といった基本的な物理量を、簡単な場合について計算できるようになる。
(2) 物質(生物を含む)の基礎的な電気的・磁気的性質を、電磁気学の基本概念を用いて説明できるようになる。
(3) 電磁気学、および「物理学A」で学んだ古典力学を組み合わせることで得られる古典物理学的世界像について、その特徴を述べることができるようになる。

教科書

「第5版 物理学基礎」原康夫(学術図書出版社)

参考書

「動画だからわかる物理」鈴木久男他(丸善)
「電磁気学がわかる」田原真人(技術評論社)
「理系なら知っておきたい物理の基本ノート[電磁気学編]」為近和彦(中経出版)
「裳華房テキストシリーズ 物理学 電磁気学」兵藤俊夫(裳華房)
「基礎と演習 理工系の電磁気学」高橋正雄(共立出版)
「化学・バイオがわかる 物理111講」渡辺正他(オーム社)
「生体電気信号とはなにか―神経とシナプスの科学」杉晴夫(ブルーバックス)

授業時間外の学習(準備学習等について)

講義の内容を深く理解するためには、問題演習が欠かせません。そこで、毎回、自習問題を解いて、レポートとして提出してもらいます。
  ・事前に解答を掲載するので、自分で丸付けをしてください
  ・自習問題には、一部、次回の講義に対する予習問題が含まれている場合があります
  ・提出方法(オンライン)については、別途、説明します
  ・レポート締切は、原則として次の週の火曜日
  ・遅れてのレポート提出も認めますが、成績評価における評価点を半分とします

授業の概要

注意: 今年度は対面での授業を予定しています(状況によって変更の可能性あり)。

まず、クーロンの法則を基に電場・電位を定義する。電場を記述するガウスの法則を導き、導体・誘電体の電気的性質を説明する。次に、電流が作る磁場をアンペールの法則として定式化し、磁性体が作り出す磁場を説明する。さらに、電場・磁場が時間的に変化する場合の法則をマクスウェル方程式として定式化し、その物理学的描像を明らかにする。以上から、古典力学では単なる物質の入れ物でしかなかった空間が「場」という物理的実体を有し、電気・磁気現象の本質を担っていることを理解してもらう。

授業計画

第1回 (9/30) 序、真空中の静電場(1)
序論として、古典力学だけでは説明できない現象の存在から電磁気学の必要性を説明する。つづいて、電場、磁場の源となる電荷の性質を詳しく調べ、特に、クーロンの法則の定式化を行う。これを基に、原子間の共有結合が定性的に理解できることを示す。
準備学習等
第2回 (10/7) 真空中の静電場(2)
クーロンの法則を基に電場の概念を導入する。すなわち、空間を単なる物質の入れ物として捉えるのではなく、「場」という物理的実体として捉えた場合の空間の性質の表現方法を説明する。そして、静電場における基本法則の1つであるガウスの法則を、単一電荷のみが存在する場合について導く。
準備学習等
第3回 (10/14) 真空中の静電場(3)
ガウスの法則を、複数の電荷が存在する場合に拡張する。そして、電場を直感的に理解する手段である電気力線の概念を説明し、電気力線の描像を用いたガウスの法則の理解の仕方を説明する。
準備学習等
第4回 (10/21) 真空中の静電場(4)
ガウスの法則の応用として、原子内の電場や細胞膜内の電場を、単純なモデルを用いて計算する方法を説明する。次に、点電荷間のクーロン力による位置エネルギー(クーロンエネルギー)を導く。
準備学習等
第5回 (10/28) 真空中の静電場(5)
前回導いたクーロンエネルギーを基に、空間の電気的な性質を特徴づける量として、電場の他に新たに電位という概念を導入する。また、電位の計算方法および電場・電気力線との関係を説明する。
準備学習等
第6回 (11/4) 導体と静電場(1)
これまでのまとめとして、真空中の静電場を記述する基本方程式について述べる。次に、電気を伝える物質である導体に対して、外部から電場を与えた場合の導体内部、およびその周囲の電場がどうなるかを、静電場のガウスの法則を用いて説明する。これにより、静電誘導や静電遮蔽といった現象を理解することが可能となる。また、導体に電荷を与えた場合の導体内部、およびその周囲の電場がどうなるかを、静電場のガウスの法則を用いて説明する。
準備学習等
第7回 (11/11) 導体と静電場(2)
応用として、細胞膜の単純なモデルとも見なすことができるコンデンサを取り上げ、コンデンサの電気容量、すなわち電気の溜めやすさが何によって決まってくるかを明らかにする。また、電気魚などを例に取りつつ、コンデンサを複数つないだ際の、合成電気容量の計算の仕方について説明する。
準備学習等
第8回 (11/18) 中間試験 準備学習等
第9回 (11/25) 誘電体と静電場(1)
原子や分子に電場をかけた時に原子・分子に生じる分極という現象を説明し、電気双極子モーメント、原子(分子)分極率といった量を定義する。
準備学習等
第10回 (12/2) 誘電体と静電場(2)
絶縁体(誘電体)の電気的な性質(誘電性)を明らかにする。特に、誘電体に電場を加えた場合の誘電体の内部のミクロスコピックな変化が、どのように誘電体内部の電場を変化させるかを説明する。
準備学習等
第11回 (12/9) 誘電体と静電場(3)
誘電体をコンデンサに挟んだ場合のコンデンサの電気容量変化について説明する。また、その応用として、溶液中でのイオンの周りの電場について説明する。さらに、誘電体中の静電場を記述する基本法則を導く。
準備学習等
第12回 (12/16) 電流
電流とは何かをミクロスコピックな立場から見るとともに、これをマクロスコピックに表現する方法を説明する。そして、電気回路における、電流・電圧・抵抗の関係を表すオームの法則について説明し、簡単な電気回路における電圧、電流を求める。
準備学習等
第13回 (12/23) 電流と磁場(1)
電流と磁場との基本的な関係について説明する。すなわち、電流(運動する荷電粒子)が、そのまわりに磁場を作ること、磁場中の電流に力が働くことを説明する。そして、この現象を利用することにより、原子や分子の質量分析が可能になることを説明する。また、時間的に変化しない磁場を記述する基本法則の一つである、アンペールの法則について説明する。
準備学習等
第14回 (1/13) 電流と磁場(2)
これまでのまとめとして、真空中の静磁場を記述する基本方程式について述べる。次に、磁性体とは何かをマクロスコピック及びミクロスコピックな立場から示し、その磁気的性質についてを説明する。
準備学習等
第15回 (1/20) 電磁誘導、マクスウェル方程式と電磁波
ここまでは、いずれも時間的に変化しない電場と磁場について取り扱ってきたが、電場や磁場が時間的に変化する場合には、どのようなことが起こるのかについて説明し、時間的に変化する電場と磁場を記述する4つの基本法則、すなわちマクスウェル方程式について、その見方を説明する。また、これまでに物理学A・Bで学んだことの集大成として、古典力学と電磁気学が描き出す古典物理学的世界像について考える。
準備学習等
第16回 (1/27) 期末試験 準備学習等

成績評価

授業目標(達成目標)の達成度を、中間試験と期末試験にて評価し、授業で取り扱う種々の基礎概念のうち、概ね6割以上を理解していると見なせるものを合格とします。その上で、合格者について、最終的な成績評価は、下記の評価を基に決定します。
・授業各回の活動評価(15%)
授業時の小テストと質問票等より評価します。
・授業時間外学習の実施状況評価(15%)
各回の授業に対して課すレポート提出状況により評価します。
解答の正誤は、評価と関係ないことに注意して下さい。
・中間試験+期末試験(70%)
病欠等のやむを得ない事情があった場合を除き、追試験は行いません。

備考(実務経験の活用を含む)

・第2回目以降、授業の最初に簡単な小テストを行うことを計画しています。しっかりと前回の授業内容を復習しておいて下さい。
・授業の最後に、「質問票」を提出してもらいます。ここには、授業内容についての質問、授業を聞いて「こんなことを考えた」「こんな新しいことを学んだ」「もっとこんなことを詳しく教えて欲しい」といった感想のいずれか(あるいは質問と感想の両方)を必ず書いて下さい。この他、授業方法等について要望などがあれば、それも併せて書いてもらって結構です。なお、寄せられた質問と、これらに対する回答をプリントにまとめ、次回の講義の際に配布します。