心身医学特論

科目名
Course Title
授業コード 単位数 配当年次 開講期間
Term
科目分類 ナンバリング
コード
曜日
コマ
教室 担当教員氏名
Instructor
心身医学特論
Special Topics in Psychosomatic Medicine
Q121230001 2 1 後期授業 専門科目 HSSPE6714-J1 木5 A15-329(研究室) 総田 純次

オフィスアワー

火曜日午後、水曜日午後、木曜日午後:予めメールで連絡ください。

授業目標

心身医学は1940‐50年代に精神分析家が主導し、その後、病気の心理的側面に関心を抱く内科医、小児科医などが参入し、行動科学の流れも加わって成立した医学の1つの潮流である。当初は、とくに心理的要因の関与の強い身体疾患を主に対象としていたが、徐々に病気や障害に対する心身両面からの医学的アプローチを意味するようになった。その意味で、心理臨床にとってはむしろともすると見逃しがちな身体面への配慮を組み入れることを求めるものであり、患者を総合的に見てゆく視点を習得する上で有用な領域である。前半は、①心身医学の基本的概念や理論(アレキシチミア、タイプA、特異性理論など)を説明できること、②またそこで用いられた研究法を歴史的に展望することを通じて、事例研究、量的研究、シングルケーススタディ、半構造化面接と質的研究法などの心理学研究法一般について理解をすることを目標とする。後半は精神分析のイギリス中間派に属するバリントが一般開業医と行った心理療法セミナーの事例を用いて、構造のゆるい治療設定での心理療法的アプローチの理解を深め、M1後期から始まる学内・学外での臨床実習に生かせることを目標とする。

教科書

M Balint: Doctor, his Patients and the Illness(『池見酉次郎訳「プライマリ・ケアにおける心身医学」)(英文原書と邦訳を抜粋してプリントで配布するので購入不要)

参考書

①J.G.ガンダーソン・黒田章史訳『境界性パーソナリティ障害』金剛出版(ボーダーラインの必須文献)
②成田善弘『青年期境界例』金剛出版
③総田純次「心身医学の視点から見た消化性潰瘍」大阪労災病院医学雑誌

関連科目

精神医学特論

授業時間外の学習(準備学習等について)

授業中に随時課題を指示するので、担当者は調査・報告すること。

授業の概要

前半では、教員の執筆した論文に基づいて心身症の概念について概説する。心身症の概念の変遷、失感情症、タイプAなど。また心身医学における心理学的研究法の変遷についても学ぶ。事例研究、投映法、質問紙表、統計解析、質的研究法、シングルケーススタディなど。後半では、イギリスの精神分析医で開業医向けの心理療法セミナーを開催したマイケル・バリントの本を用い、そこから3事例抜粋して、構造化の緩い臨床場面での心理療法的かかわりについて学習する。

授業計画

第1回 心身医学の基本概念①(心身医学の歴史と概念) 準備学習等 配付した論文を事前学習。
第2回 心身医学の基本概念②(人格特性の研究) 準備学習等 同上。
第3回 心身医学の基本概念③(ライフイベント) 準備学習等 同上。
第4回 心身医学・心理学の研究法の変遷①(事例研究、投影法) 準備学習等 同上。
第5回 心身医学・心理学の研究法の変遷②(質問紙法と統計) 準備学習等 同上。
第6回 心身医学・心理学の研究法の変遷③(面接法、質的研究法、シングルケーススタディ) 準備学習等 同上。
第7回 バリントのプライマリ臨床医のためのセミナーの事例検討①(症例21) 準備学習等 バリント『医師、患者、病気』の事例を予め読む。
第8回 バリントのプライマリ臨床医のためのセミナーの事例検討②(症例21) 準備学習等 同上。
第9回 バリントのプライマリ臨床医のためのセミナーの事例検討③(症例21) 準備学習等 同上。
第10回 バリントのプライマリ臨床医のためのセミナーの事例検討④(症例21) 準備学習等 同上。
第11回 バリントのプライマリ臨床医のためのセミナーの事例検討⑤(症例24) 準備学習等 同上。
第12回 バリントのプライマリ臨床医のためのセミナーの事例検討⑥(症例24) 準備学習等 同上。
第13回 バリントのプライマリ臨床医のためのセミナーの事例検討⑦(症例24) 準備学習等 同上。
第14回 心身医学に学ぶマネジメントの視点 準備学習等
第15回 まとめ 準備学習等

成績評価

予め配布する論文や参考図書の事前学習を前提に討議の形で進めるので、全回出席は必須。➀心身医学の基本的概念を説明することができる、➁代表的な心理学的研究法の方法を理解し、説明できる、➂治療構造の緩い臨床事例を読み解くことができるという3点が単位履修のために求められる。

備考(実務経験の活用を含む)

内容は終始臨床心理学の実践の学習であり、実際の症例を扱うこともあるため、受講者は臨床心理学分野の者に限る。受講開始日までに授業登録をしてください。