環境ストレス生物学特論

科目名
Course Title
授業コード 単位数 配当年次 開講期間
Term
科目分類 ナンバリング
コード
曜日
コマ
教室 担当教員氏名
Instructor
環境ストレス生物学特論
iology of Environmental Stress Response
P320760001 2 1 前期授業 専門科目 SBOBS5203-J1 木2 C13棟 講堂 児玉 靖司・他

オフィスアワー

川西優喜
 研究室: C-14 分子細胞遺伝学研究室
 オフィスアワー : 月・木 12:10 - 12:55 川西准教授
児玉靖司
 研究室: C-14 3階 放射線生物学研究室
 オフィスアワー :月〜金 12:10-12:55 児玉教授室
(来訪の際はあらかじめ電話かE-mailで連絡ください)

授業目標

 地球上の生物は生命の誕生以来、太陽紫外線、放射線、活性酸素などによる生存に不利益な影響を受けながら生きています。また、人類の誕生以来、環境中に放出してきた化学物質の多くも生物の生存にとって不利益なものです。これらの環境中のストレス因子が生命維持に与える影響を学び、生物が生きていくために発達させた、これらストレスに対する防御機構、応答機構、障害修復機構などを分子・細胞レベルで理解することを目的とします。

授業目標(達成目標)
1.紫外線、電離放射線、化学物質によるDNA損傷とその修復メカニズムを分子レベルで説明できること。
2.内分泌攪乱物質の人体への作用メカニズム、及び生態系への影響について説明できること。
3.遺伝子変異が生じる分子メカニズムと発がん過程、及び先天異常生成との関わりについて説明できること。
4.放射線被ばく事故が起きた原因と人体及び環境への影響について説明できること。

教科書

なし

参考書

 講義内容の全てをカバーする参考書はありません。DNA複製、DNA修復、突然変異、遺伝子発現などの分子生物学の基礎をよく理解しておいてください。

授業時間外の学習(準備学習等について)

 自身が専門とする研究分野と関連づけて理解し、単に知識の増加だけではなく、学習したことを自身の研究へどのように応用するかを常に考えてください。

授業の概要

環境因子の生体影響について、3名の教員が、毎回テーマを変えて話します。概要は授業計画を参照してください。

授業計画

第1回 <化学物質汚染の歴史と規制>  世界の代表的な化学物質汚染事故・事例と、その後化学物質がどのように規制されてきたかを学ぶ。【担当:川西】 準備学習等 日本の四大公害事件を理解しておくこと。
第2回 <化学物質によるDNA損傷> 環境変異原とその代謝、DNA損傷誘発とその種類について分子レベルで学習する。【担当:川西】 準備学習等 放射線生物学と環境応答制御論の受講者はそれぞれ復習しておくこと。
第3回 <化学物質によるDNA損傷の修復> 化学物質によるDNA損傷の修復の多様性とそれらが突然変異に至るメカニズムについて学ぶ。【担当:川西】 準備学習等 遺伝学の受講者はそれぞれ復習しておくこと。
第4回 <化学物質規制のグループワーク1> 化学物質汚染事故・事例と規制について調べ、発表する。【担当:川西】 準備学習等 化学物質汚染事故について調べておくこと。
第5回 <化学物質規制のグループワーク2> 化学物質汚染事故・事例と規制について調べ、発表する。【担当:川西】 準備学習等 化学物質汚染事故について調べておくこと。
第6回 <放射線損傷と修復>  放射線損傷の修復機構として、非相同末端結合と相同組換え機構を対比しながらその仕組みについて学ぶ。【担当:児玉】 準備学習等 DNA2本鎖切断修復機構について調べておくこと。
第7回 <染色体異常と発がん>  染色体異常が発がんに果たす役割について、小児型がんと成人型がんを対比して学ぶ。【担当:児玉】 準備学習等 発がんと染色体異常の関係について調べておくこと。
第8回 <テロメアと健康寿命> テロメアは染色体の安定化に多大な影響を及ぼす構造物である。その長さがヒトの健康寿命の指標になる可能性について学ぶ。【担当:児玉】 準備学習等 テロメアの構造と機能について調べておくこと。
第9回 <放射線被ばく事故>  過去に起きた大規模な放射線被ばく事故について、その原因と人体および環境に与えた影響について学ぶ。【担当:児玉】 準備学習等 福島第一原発事故について調べておくこと。
第10回 <放射線と幹細胞>  幹細胞の特異性とその放射線影響について学び、放射線発がんにおける幹細胞の役割について理解を深める。【担当:白石】 準備学習等 幹細胞の特徴について調べておくこと。
第11回 <DNA切断の生物学的意義>  減数分裂、免疫系成熟におけるDNA二重鎖切断修復分子の役割を理解し、その普遍性について学ぶ。【担当:白石】 準備学習等 減数分裂並びにリンパ球のにおける抗原認識の多様性獲得過程について調べておくこと。
第12回 <放射線によるがん化> 主に動物を用いた放射線発がん実験で得られた結果について、線量応答、線量率効果、被ばく時年齢依存性等について紹介し、発がん過程における放射線の役割について学ぶ。【担当:児玉】 準備学習等 動物を用いた放射線発がん実験について、特にしきい線量、線量率効果、被ばく時年齢依存性について調べておくこと。
第13回 <低線量放射線の生体影響>  低線量放射線における生物応答を理解し、現在の放射線防護体系の問題点について学ぶ。【担当:白石】 準備学習等 放射線によるDNA損傷応答について調べておくこと。
第14回 <放射線防御の考え方> 現在の放射線防御の考えはどのような科学的根拠に基づくものか解説する。解説を通じて、これまで受講してきた知識がどのように活用されているのかを学ぶ。【担当:白石】 準備学習等 環境省ホームページ (https://www.env.go.jp/chemi/rhm/h30kisoshiryo.html) にある、「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(平成30年度版)」に目を通しておくこと。
第15回 <B6マウスの起源と江戸期日本> 実験動物で良く用いられるマウスC57BL/6系統の成立過程の解説動画を視聴する。また、マウス品種改良と江戸期日本人の関係を解説する。これらを通じて、実験動物マウスの特徴と種の多様性について学ぶ。【担当:白石】 準備学習等 特になし。

成績評価

成績は、達成目標の到達度で評価します。達成目標に達していると評価されれば、C以上の合格点を取ることができます。成績評価の手段として、平常点(授業での発言、発表内容など)(50%)と期末試験(50%)を用います。