酵素化学

科目名
Course Title
授業コード 単位数 配当年次 開講期間
Term
科目分類 ナンバリング
コード
曜日
コマ
教室 担当教員氏名
Instructor
酵素化学
Enzyme Chemistry
B301390001 2 2 後期授業 専門科目 CAAGC2304-J1 火2 B1-1 乾 隆
西村 重徳

オフィスアワー

(乾)木曜日,12:00?13:00,C17棟114号室
(西村)金曜日,12:00?13:00,C17棟126号室
毎週木曜日12:15 12:50 は対面及びメールでの質問等を受け付けます。

授業目標

生物の生命維持活動は非常に多くの化学反応の上に成り立っており,その反応の多くは酵素によって触媒され制御されている.したがって,生命現象の仕組みの理解あるいは酵素の利用や改変において,酵素の性質や構造,触媒の反応機構をよく知る必要がある.本講義では,酵素の特性,反応の機構,酵素の活性部位の構造の解析法とその例を通して酵素の活性発現の仕組みについて理解することを目標とする.具体的には,以下の能力を身につけることを達成目標とする.
1. 酵素反応を理解し,6つの分類ができること.
2. 反応速度の定義ができ,速度式の導出ができること.
3. ミカエリス・メンテン式の導出やラインウィーバーバーク式の導出ができること.
4. 阻害剤存在下でのミカエリス・メンテン式の導出により,KmやVmaxの変化について考察できること.
5. アロステリック制御について理解し,説明できること.
6. 酵素反応機構をJencksの酵素作用を用いて説明できること.
7. 酵素活性が温度やpHにどのように影響をうけるかを説明できること.
8. エネルギーダイアグラムを用いて酵素反応を説明できること
9. 酵素反応速度を支配する熱力学量を説明できること.

教科書

MORAN・HORTON・SCRIMGEOUR・PERR著,「ホートン生化学」第5版(東京化学同人)

参考書

志村憲助・西沢一俊編,「入門酵素化学」(南江堂出版)
Raymond Chang著,「生命科学系のための物理化学」(東京化学同人)
藤本大三郎著,「酵素反応のしくみ」ブルーバックス(講談社出版)

関連科目

基礎生化学,構造生物学

授業時間外の学習(準備学習等について)

授業時間だけでは,この講義の内容を理解し,その理解を定着させることは困難であると考えます。授業の予習と復習を欠かさずに行って下さい.「授業概要」の欄にいつ教科書のどの節を講義するかが書かれているので,授業前にその節の内容を必ず読み,分からない箇所を明確にしておいてください.また,簡単な演習問題等も行いますので,必ず授業の復習に使って下さい.

授業の概要

次のような内容について順に演習を交えながら講義を行う.
(1)酵素の特性と化学的・物理的性質
(2)機能の解析法(速度論的解析法)
(3)酵素反応の速度を支配する諸因子
(4)活性部位の構造解析
(5)酵素の活性発現機構の解析例

(オムニバス方式/全16回)
(乾隆/8回)授業計画の第1回?第8回
(西村重徳/8回)授業計画の第9回?第16回

授業計画

第1回 全体のイントロ,酵素の一般的性質
(目標)酵素の発見の歴史を理解し.説明できる.酵素触媒反応から,酵素の分類ができる.化学触媒反応との違いを説明できる.
準備学習等 教科書5.1節の内容を事前に読んでおく
第2回 反応速度論
(目標)一次反応速度式,および二次反応速度式の導出ができ,それらに式を用いた演習問題が回答できる.
準備学習等 教科書5.2節の内容を事前に読んでおく
第3回 ミカエリス・メンテンの式
(目標)定常状態の仮定,あるいは迅速平衡の仮定を用いて,ミカエリス・メンテンの式の導出ができる.
準備学習等 教科書5.3節の内容を事前に読んでおく
第4回 ラインウィーバーバークプロット(KmとVmaxの決定)
(目標)ミカエリス・メンテン式からラインウィーバーバークプロットの式が導出でき,その利点と弱点の説明ができる.
準備学習等 教科書5.4-5.6節の内容を事前に読んでおく
第5回 酵素の阻害
(目標)競合阻害剤,不競合阻害剤,非競合阻害剤存在下におけるミカエリス・メンテンの式が導出でき,その時のKm,およびVmaxの変化について詳細な説明ができる.
準備学習等 教科書5.7節の内容を事前に読んでおく
第6回 不可逆な酵素阻害
(目標)サリンやDFPなどの毒ガスは,アセチルコリンエステラーゼに対する不可逆な阻害剤であるということと,それら毒ガスが神経麻痺を起こすメカニズムについて説明できる.
準備学習等 教科書5.8節の内容を事前に読んでおく
第7回 アロステリック酵素
(目標)アロステリック阻害メカニズムについて理解し,説明できる.具体例として,解糖系で働く6-ホスホフルクトキナーゼついて説明できる.
準備学習等 教科書5.9-5.10節の内容を事前に読んでおく
第8回 中間試験は対面で実施する予定です。ただし、状況をみて他の方法で行う場合もあります。 準備学習等
第9回 酵素触媒作用の化学的様式
(目標)酸塩基触媒,共有結合触媒による触媒作用を説明できる.
準備学習等 教科書6.4節の内容を事前に読んでおく
第10回 酵素活性のpH依存性
(目標)酵素活性のpH依存性を定量的に表すことができ,実験データから触媒基の解離定数を求めることができる.
準備学習等 教科書6.4節の内容を事前に読んでおく
第11回 酵素触媒作用の結合様式
(目標)酵素と基質の結合による触媒作用を説明できる.
準備学習等 教科書6.5節の内容を事前に読んでおく
第12回 酵素反応のエネルギーダイアグラム
(目標)反応座標にそったエネルギーダイアグラムを描画し、酵素の特性を説明できる.
準備学習等 教科書6.2節の内容を事前に読んでおく
第13回 酵素反応の熱力学
(目標)酵素触媒作用に関する熱力学量を理解し、実験データから各熱力学量を求めることができる.
準備学習等 教科書6.2節の内容を事前に読んでおく
第14回 酵素の触媒反応機構(キモトリプシン)
(目標)キモトリプシンの触媒反応について,化学構造変化を反応にそって並べ,各酵素作用をあてはめられる
準備学習等 教科書6.6節の内容を事前に読んでおく
第15回 酵素の触媒反応機構(リゾチーム)
(目標)リゾチームの触媒反応について,化学構造変化を反応にそって並べ,各酵素作用をあてはめられる.
準備学習等 教科書6.7節の内容を事前に読んでおく
第16回 定期試験は対面で実施する予定です。ただし、状況をみて他の方法で行う場合もあります。 準備学習等

成績評価

授業目標(達成目標)の1?9の達成度で成績評価を行う.C(合格)となるためには,1?9の全ての項目で基本的な問題(授業中に与える演習問題)が解けることが必要である.成績を評価する手段として,中間試験(50%)と定期試験(50%)を用い,100点満点とする.

備考(実務経験の活用を含む)

授業開始前日までに受講申請を終えておくこと。

本授業の内容は、授業担当者の実務経験を活用したものである。