物理化学IIA

科目名
Course Title
授業コード 単位数 配当年次 開講期間
Term
科目分類 ナンバリング
コード
曜日
コマ
教室 担当教員氏名
Instructor
物理化学IIA
Physical Chemistry IIA
B201490001 2 2 前期授業 専門科目 BCCHE2614-J1 水2 A5-122 井上 博史
樋口 栄次

オフィスアワー

井上:木曜日 16:15~17:45
樋口:火曜日 16:15~17:45

授業目標

本授業の目標は、「溶液の熱力学に関する法則を理解し、論理的に表現できること」、「相図を作成し、相律や相平衡について解説できること」、「液体や固体の表面に関する法則を理解し、論理的に表現できること」、「電解質水溶液や電気化学電池に関する法則を理解し、論理的に表現できること」です。

具体的には、以下の能力を身に付けることが達成目標です。
1. 理想溶液と実在溶液の違いを理解し、これらの溶液での熱力学的性質、部分モル量、活量係数を計算することができる。
2. Raoultの法則、Henryの法則、束一的性質を理解し、定量的に取り扱うことができる。
3. 相律について理解し、様々な相平衡における相の数、成分の数、自由度を計算することができる。
4. 理想溶液と実在溶液の圧力-組成図、温度-組成図を描くことができる。
5. 様々な相平衡における温度-組成図を理解し、どのような相変化が起こるか説明できる。
6. 液体の表面と内部の違いを理解し、表面張力を計算することができる。
7. 化学吸着と物理吸着の違いを理解し、表面積を計算することができる。
8. 電解質溶液の電気抵抗の測定から、比伝導率、モル伝導率、輸率、イオン伝導率を計算することができる。
9. 理想溶液や実在溶液でのイオン平衡を理解し、活量係数や平衡定数を計算することができる。
10. 電気化学電池、標準電極電位、Nernstの式を理解し、起電力、熱力学的パラメーターを計算することができる。

教科書

物理化学(上)第6版、G. M. バーロー著、大門 寛ら訳(東京化学同人)ISBN 9784807905027

参考書

1. 熱力学-基礎と演習-、山下弘巳ら著(朝倉書店)ISBN 9784254250367(物理化学序論の教科書:予習の際に使用)
2. 物理化学(上)、P. W. アトキンス著、千原秀昭ら訳(東京化学同人)ISBN 9784807906956(最新版は第10版、全ページカラーで非常に詳しく書かれています)
3. バーロー物理化学問題の解き方 第6版、藤代亮一ら著(東京化学同人)ISBN 9784807905041(復習プリントを解く際に参考にしてください)

関連科目

物理化学序論、物理化学演習ⅠA、分析化学A、機器分析学、電気化学、触媒化学

授業時間外の学習(準備学習等について)

 「8. 授業計画」の欄に、毎回の講義内容が教科書のどの節に対応するかを書いておきましたので、授業前にその節の内容を必ず読み、分からない箇所を明確にしておいて下さい(ただし、予習では全部分かる必要はありません)。
 毎回の講義終了時には、次回の講義内容を理解する上で必要な物理化学の知識を確認するための「予習プリント」を配付しますので、物理化学序論の教科書(熱力学-基礎と演習-)を参照しながら解答し、次回の講義開始前に提出して下さい。
 毎回の講義の後、できればその日のうちに講義プリントの内容を復習し、講義内で行った問題を解き直して下さい。また、講義支援システムに、「復習プリント」をダウンロードできるようにしてありますので、予習の際に活用して下さい。

授業の概要

 物理化学序論で習得した理想気体および実在気体の熱力学に関する知識を基礎として、対象を期待から凝縮系(溶液)に変え、1. 溶液の熱力学、2. 相平衡、3. 電解質溶液の熱力学に関して講義します。具体的には、理想溶液および実在溶液の熱力学、希薄溶液、束一的性質、相図、表面張力、吸着、電解質水溶液の熱力学、電気化学電池などについて、問題演習や作図を通じて理解を深めることを目的とします。各章の終了後には小テストを行い、習得した知識や技能が身についているか確認します。

なお、講義中に随時問題演習を行ないますので、指数・対数の計算ができる計算機を必ず持参して下さい。

授業計画

第1回 物理化学序論の復習(テスト形式) 準備学習等 物理化学序論で習ったことを復習しておいてください。専門用語・基本法則を正しく理解しているか?
第2回 溶液(1)「理想溶液」
1)2つの理想気体を混合するときの自由エネルギー変化は正か負か?
2)理想溶液とは何か?理想気体と同じか?
3)理想溶液を形成するときに熱力学的性質はどのように変化するか?
準備学習等 第6章 溶液、6.1 理想気体混合物の熱力学(PP. 304~309)
(事前学習)第1回授業で配付した「予習プリント」に解答する(第2回授業の開始時に提出すること)
(事後学習)「復習プリント」に解答する。
第3回 溶液(2)「実在溶液」
1)実在溶液とは?理想溶液との違いは?
2)部分モル体積とは?
3)Gibbs-Duhemの式とは?
準備学習等 6.2 混合物の成分の熱力学的性質(PP. 309~317)
(事前)第2回授業で配付した「予習プリント」に解答する(第3回授業の開始時に提出すること)
(事後)「復習プリント」に解答する。
第4回 溶液(3)「Raoultの法則」
1)化学ポテンシャルとは?自由エネルギーとの違いは何か?
2)Raoultの法則とは?
3)実在溶液の蒸気圧-組成曲線を描いてみよう。
準備学習等 6.3 溶液およびその成分の自由エネルギー (PP. 317~322)
(事前)第3回授業で配付した「予習プリント」に解答する(第4回授業の開始時に提出すること)
(事後)「復習プリント」に解答する。
第5回 溶液(4)「Henryの法則と束一的性質」
1)Henryの法則とは?Raoultの法則との関連性は?
2)束一的性質とは何か?
3)束一的性質にはどのような現象があるか?
準備学習等 6.4 溶媒と溶質 ~ 6.7 浸透圧(ただし、6.5は省略)(PP. 322~336)
(事前)第4回授業で配付した「予習プリント」に解答する(第5回授業の開始時に提出すること)
(事後)「復習プリント」に解答する。
第6回 溶液のまとめ(小テストを含む) 準備学習等
第7回 相平衡(1)「相律」
1)相や成分とは何か?
2)相と成分の数をしっかりと数えよう!
3)自由度とは何か?相律とは何か?
準備学習等 第7章 相平衡、7.1 相、成分および自由度の数 ~ 7.2 相律(PP. 345~354)
(事前)第10回授業で配付した「予習プリント」に解答する(第12回授業の開始時に提出すること)
(事後)「復習プリント」に解答する。
第8回 相平衡(2)「二成分系の蒸気圧-組成図と沸点-組成図」
1)理想溶液の蒸気圧-組成図を描き、気-液平衡について考えよう。
2)理想溶液の沸点-組成図を描き、気-液平衡について考えよう。
3)蒸留とは?蒸留を繰り返すとどうなるのだろうか?
準備学習等 7.3 蒸気圧-組成図 ~ 7.4 沸点-組成図と蒸留(PP. 354~360)
(事前)第12回授業で配付した「予習プリント」に解答する(第13回授業の開始時に提出すること)
(事後)「復習プリント」に解答する。
第9回 相平衡(3)「液-液平衡と固-液平衡」
1)混ぜたときに二相に分離する場合の温度-組成図を理解しよう。
2)固-液平衡における3つのパターンとは何か?
3)各パターンにおける温度-組成図を理解しよう。
準備学習等 7.5 混じり合わない液体 ~ 7.7 固体化合物の生成(PP. 357~370)
(事前)第13回授業で配付した「予習プリント」に解答する(第14回授業の開始時に提出すること)
(事後)「復習プリント」に解答する。
第10回 相平衡(4)「表面張力と吸着」
1)液体の表面と内部の違いは何か?
2)なぜ液体は毛細管を上昇するのか?
3)物理吸着と化学吸着の違いは何か?
準備学習等 7.9 液体の表面 ~ 7.11 吸着(PP. 374~391)
(事前)第14回授業で配付した「予習プリント」に解答する(第15回授業の開始時に提出すること)
(事後)「復習プリント」に解答する。
第11回 溶液中の電解質のまとめ(小テストを含む) 準備学習等
第12回 溶液中の電解質(1)「電解質水溶液の性質」
1) 比伝導率、モル伝導率を理解しよう。
2) 溶液中の電気伝導におけるイオンの役割を考えよう。
3) イオン移動度を理解しよう。
準備学習等 第8章 溶液中の電解質
8.1 比伝導率とモル伝導率 ~ 8.2 電気分解とイオン移動度(PP. 398~411)
(事前)第5回授業で配付した「予習プリント」に解答する(第7回授業の開始時に提出すること)
(事後)「復習プリント」に解答する。
第13回 溶液中の電解質(2)「理想溶液と実在溶液でのイオン平衡」
1) 理想溶液でのイオン平衡を考えよう。
2) 実在溶液でのイオン平衡を考えよう。
3) 活量係数とイオン強度を理解しよう。
準備学習等 8.3 イオン平衡:理想溶液 ~ 8.5 高濃度溶液中の活量係数(PP. 411~426)
(事前)第7回授業で配付した「予習プリント」に解答する(第8回授業の開始時に提出すること)
(事後)「復習プリント」に解答する。
第14回 溶液中の電解質(3)「電気化学電池と標準電極電位」
1) 電気化学電池とは何か?アノード、カソードとは何か?
2) 標準電極電位を理解しよう?
3) 標準電極電位の求め方を学ぼう。
準備学習等 8.6 電極と電気化学電池 ~ 8.7 標準電極電位(PP. 426~437)
(事前)第8回授業で配付した「予習プリント」に解答する(第9回授業の開始時に提出すること)
(事後)「復習プリント」に解答する。
第15回 溶液中の電解質(4)「Nernstの式と起電力」
1) Nernstの式を理解しよう。
2) 電池の起電力を標準起電力と活量係数から求めよう。
3) 電池の起電力からどのように熱力学データを得るかを学ぼう。
準備学習等 8.8 Nernstの式 ~ 8.10 液間電位差(PP. 438~451)(8.11は省略)
(事前)第9回授業で配付した「予習プリント」に解答する(第10回授業の開始時に提出すること)
(事後)「復習プリント」に解答する。
第16回 定期試験(相平衡のまとめ) 準備学習等

準備学習欄:バーロー物理化学(上)第6版

 日程については、教員の急病、学会発表、などにより変更することがあります。その際、オンライン(非同期)授業または補講をします。各月の補講日は念のために予定を入れないでください。また、オンライン授業に備えて、各自でオンライン環境を整えてください。

 講義に用いたプリント類は全て授業支援システムに掲載していますので、病気、けが、忌引、教育実習、介護実習等の止む得ない理由で欠席した場合には、各自でダウンロードして活用して下さい。また、自習用に各回の「復習プリント」を授業支援システムに掲載していますので、各自ダウンロードして活用して下さい。

成績評価

授業目標(達成目標)の達成度で評価します。
成績評価には、定期試験、小テスト、課題の提出物の結果を用い、原則として定期試験30%, 小テスト(30%×2回=60%), 課題の提出物10%の割合で評価し、合計して60%以上を合格とします。

合格のためには、最低以下のことができる必要があります。
・「溶液」、「相平衡」、「溶液中の電解質」に出てくる熱力学に関する諸法則を説明でき、理論的な取り扱いもできる。
・二成分系の相図を作成し、相律や相平衡について説明できる。